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そもそも何故地方と都会で賃金に格差が出るのだろうか?

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人気エントリーで地方と都会のメリット・デメリットの記事を読んだ。

地方と都会、それぞれに良さがあると思うので身軽な内に一度住み比べてみれると良いのかもしれない。

ただ、「都会も地方も、どっちが良いかは人それぞれです」だと、話にならないので自分なりに地方と都会の差を、主に賃金面から考えてみたい。

 

【2016.06.27 記事の体裁を修正】

--目次--

 

秋田県と岐阜県の最低賃金

守形レイジ(id:sugatareiji)さんは地方での低賃金労働に注目している。

 

見ての通り、秋田県は700円割ってますからね。。。

まあ、時給695円という半端な額では雇わないので、700円というのが現実でしょう。

東京は時給が1000円を超えるアルバイトなんかもありますからね。

僕は秋田の今の会社に入社する前、2ヶ月ほどフルタイムのアルバイトをしましたが、給料はひと月10万円でしたね、、、。

低すぎて悶絶しました。

イケダハヤトの田舎や地方は生活コストが低いという嘘。年収低いし二重苦だよ? - 涙拭けよ

 

時給700円。

1日8時間、週5で働いても28,000円、月に換算すると112,000円である。

高校から大学まで諸々とアルバイトをしていたので身に染みて解かる。

すげーよく解かる。

(大学の時はドラッグストアと家庭教師×3件と図書館司書見習いを掛け持ちしてた・・・)

 

ちなみに、今回のエントリーを書くにあたって岐阜県の最低賃金を調べてみたら「754円」だったのでレイジさんに、と言うより秋田県に対して非常に申し訳ない気持ちになった。

秋田県と同様の計算で月給を算出すると約121,000円。

秋田県より9,000円ほど高給取りである。

 

ちなみに東京都の最低賃金は907円。

同様に計算すると約145,000円と秋田県と1.3倍の開きだ。

汗水流して働いた結果がこの差では悶絶するのも、もっともである。

 

そもそも、なぜ田舎は低賃金なのか。

先のエントリーで述べられている通り、一般流通するモノ値段自体にそれ程大きな開きは感じられない。

 

CDアルバムは東京も田舎も3000円。

マンガも一冊400円。

Blu-rayも一巻7000円。

洋服だってUNIQLOで買えば同じ値段。

田舎割引なんてないですからね。

iPhoneだって同じ値段だよ。

イケダハヤトの田舎や地方は生活コストが低いという嘘。年収低いし二重苦だよ? - 涙拭けよ

 

仮に秋田県が、と言うか各地方が東京都の最低賃金の水準であれば悶絶する事も少ないであろう。

 

なぜ田舎の賃金は低いのか?

言い換えるなら、なぜ都会の賃金は高いのだろうか。

その答えは「集積の経済」に求める事が出来る。

 

集積の経済が賃金を高くする

大都市ほど賃金が高い一般的な解釈は、集積の経済による正の外部性と関連する。Marshall (1890)が指摘したように、集積地における投入産出連関効果の高さ、労働者と企業のよりよいマッチング、観測できないような活発な知識波及などから生じる正の外部性が企業の生産性向上をもたらし、その結果、賃金の上昇がもたらされていると考えられている

RIETI - 第2回「なぜ大都市では賃金が高いのか」

 

様々な企業が一つの地域に集中して立地する → 労働者間や企業間での交流が活発になる → 企業(労働者)の生産性が向上し賃金が上昇する。

この「風が吹けば桶屋が儲かる」的な流れで集積の経済がもたらす恩恵によって都市部の賃金は地方より高額となっていく様である。

 

更にもう少し詳しく集積の経済を読み解くと、賃金の上昇には2つの要因が挙げられる。

1つ目の要因は都市部の空間、環境に起因している様である。

 

1つ目は、労働者の空間的ソーティング(spatial sorting)に起因する。つまり、もともと能力のある労働者ほど大都市に集まりやすいことから、都市部において賃金が高く観測されているという考えである。たとえば、大卒という肩書きだけでは実際には観測されない労働者の能力や技術の差異までもコントロールすることができない。その結果、既存研究の枠組みでは観測不能な労働者の要因が同時に集積の経済の効果として推定されていたという問題がある。

RIETI - 第2回「なぜ大都市では賃金が高いのか」

 

やや乱暴な話だが都市部は誘蛾灯の様に能力のある人間を集めるので、高い賃金を払っておけば有能な労働者が来ると言う話だ。

地方には無能しか残らないのかと言うとそうでも無いと思うが、人口の移動は依然として都市部への転入超過の状態にある。

 

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 ※資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告年報」を元に作成

 ※三大都市圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 愛知県、岐阜県、三重県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県

(2)居住地の動向

 

 2つ目は集積の経済によって都市部へ集中した企業から発生する様々なタスクが労働者を鍛える事が挙げられている。

当然鍛えられた労働者の生産性は向上し、同時に賃金の上昇を生む。

 

2つ目は、大都市における労働からの学習効果(learning by working)の影響が大きいという点である。地方では経験できないような価値ある経験を大都市において積むことができ、その結果、大都市にいる労働者ほど賃金上昇率が高くなっているという仮説である。上記の静学的な要因とは異なり、こちらは労働者の動学的な側面に着目している。スペインの労働者パネルデータを用いたde la Roca and Puga (2012)の研究によると、もとの能力が同じでも大都市で働き始めることで中期的により高い賃金を得られるようになっていることを示している。また、Gould (2007)の分析結果によると、ホワイトカラー労働者に関しては、地方へ移ったとしても都市で得られた経験によって高賃金を享受し続けていることが明らかにされている 

RIETI - 第2回「なぜ大都市では賃金が高いのか」

 

何気に最後の「ホワイトカラー労働者に関しては、地方へ移ったとしても都市で得られた経験によって高賃金を享受し続けていることが明らかにされている」と言う一文である。

冒頭のエントリーにもあるイケダハヤト氏も東京の大学出身、(企業名は明らかになっていないが恐らく)都内の企業に務めていたと思われる。

その意味では非常に正鵠を得た分析と言えるだろう。

東京での消耗を避けて地方へ楽に移住する為には、一度東京で消耗しなければならないとは矛盾している様に感じられるが……。

 

少なくとも賃金面の格差においては、「田舎が安い」のでは無く、集積の経済によって「都会が高くなっている」と考えて良さそうだ。

言ってしまえば田舎が悪いのでは無く、都会の賃金が高騰しているのだ。

 

地方か? 都会か?

色々な価値観があるが都市部での価値観をそのまま地方へ持ち込むと自分と地域のミスマッチが起きてお互いにとって不幸だろう。

シロクマ先生(id:shirokuma)のエントリーにもある通り「東京を知らない」事の方が幸せな事もあると思う。

 

大学生になってようやく、私は東京の、奇跡のような文物の集積に仰天した。学問も人材もサブカルチャーも東京に集中していること、多種多様な選択肢が埋もれていることを、私は思春期の後半にやっと知ったただし、東京の多種多様な選択肢とは、札束で殴って勝ち取る類のものだということもすぐに判ったので、「東京に移住したいと思わずに済んだ

でも「東京を知らない」地方民は、東京の価値観や競争に巻き込まれずに済むんですよ? - シロクマの屑籠

 

ただ、箱根ヶ崎は数ある選択肢を(たとえ全部は叶わなくても)見てみたいと思うし、その選択肢の中から選んでみたい。

職業やレジャーと言った解かり易い物に限らず、無数にある「モノ」や「コト」の中から選びたいし、選ばれたいと思う。

その為には若い内に一度くらい、札束で頬を引っ叩かれたり引っ叩くのも一興だろう。

 

10代後半や20代前半の時を思い出すと「あの時なんであんな物かったんだろう」って物が結構ある。

買ってしまった物は、もうどうしようもないから自分の中で経験値として積んでおくしかない。

当時は必要だと思って買った物が今考えると下らない物だったりする事は良くある事だが、個人的には無駄を積み重ねた末に解かる事もあると思う。

(結局無駄なままで終わる事も多いけど・・・

 

都会に出てその結果、思ってたより自分って結構すげーヤツなのが解かったり、思ったよりダメなヤツだったのが解かったり。

自分や世の中を深く知る事は決してマイナスじゃないので 、その為にもあえて都市部に出て消耗戦を演じてみても良いだろう。

 

映画「LIFE!」に登場したLIFE社の社訓が丁度そんな感じなので最後に紹介したい。

 

To see the world, things dangerous to come to, to see behind walls, to draw closer, to find each other and to feel. That is the purpose of life.

 

世界を見よ。危険に立ち向かえ。壁の裏側を見よ。もっと近づいて、お互いを知れ。それが人生の目的なのだから。 

映画「LIFE! ライフ」で、ウォルター・ミティの背中を押した社訓(マニフェスト) - NAVER まとめ

 

それでは、また。 

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他にも地方の記事、あります。 

p-n-3.hatenablog.com  

p-n-3.hatenablog.com 

 

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